2006年6月25日日曜日

土地探しでのこだわり

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[レオンとドンちゃん 2006]
土地探しで重視する条件をいくつか書いてみる。

まずダメな条件。
  • 低地
  • 水辺
  • 傾斜地
  • 産廃施設
  • 送電線下
今住んでいる埼玉県某市でも川のそばの低地では何年に1回か冠水する。居住中のマンションが建っている場所はかろうじて武蔵野台地のへりに引っかかっているので水害とは無縁だが。

台風や大雨による水害のニュースを見るたびに、どうしてこんな場所に家を建てるんだろうと思うような所に家が建っている事が多いが、そういうことを気にする人ばかりではないということか。

低地と同様に、川や池など水辺も地盤が悪く、地震の際には揺れが大きくなる。

急に地形が変化する傾斜地も地震の際の被害が大きくなる。

産廃施設の近くは論外だろう。近年では所沢市のダイオキシン騒動が有名である。

送電線下も避けたいところだ。土地探しにおいてどこに送電線が通っているかは現地に行かないと分かりにくいものだ。国土地理院の地図には送電線が書いてあるものもあるが、同じ国土地理院の数値地図では省略されている。インターネットで使えるデジタル地図でも送電線は表示できない。ではどうするのか?

地図ソフトとして有名な「カシミール」で使えるフリーの地図ツールとして、飛行プラン作成のための「カシミール・フライトログ」というソフトが公開されている。これには全国の送電線の地図が付属している。この送電線図を地図に重ね合わせれば送電線位置がはっきり分かるのである。

これらの条件から、望ましい土地の条件はこうだ。
  • 武蔵野台地など台地部であること
  • 地盤が固いこと
  • 平坦地であること
面積としては、現在のマンションが75平米だから100平米(30坪)は欲しいところだ。

こんな条件を言っていたら女房が、あれも嫌だこれも嫌だって言ってたらずっと土地が見つからないんじゃないか、と心配していた。俺に言わせればほかの人が気にしなさすぎなんだが。

(2015年の追記: カシミール・フライトログは公開終了となりもう入手できない。送電線の位置を調べるには地図を丹念に読むか現地に行くしかない)

>>続く

高気密シンプル住宅

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[掃除機とドンとレオン 2006]
車でT市へ。午前中はお宅訪問という企画。I市の築4年のお宅へ。なるべく節約することを目指して建てた2階建て。標準では総レンガだが、この家では全面の1階分だけがレンガ。要望通り自由にできるのがイ○ットハウスの特徴らしい。

内部の気密はすばらしく、24時間換気でタバコの煙もすぐ消えてしまう。床下除湿器はただ稼働させておくだけなので、SCのように住人が床下のダンパーを開け閉めする手間もいらない。埃がほとんど立たないので掃除が楽。放っといても快適だから、SCより性格的に合っているかも知れない。

広いリビングに感心してI市を後に、午後は都内で気密測定会。

建設中の現場は気密工事、断熱工事後で内装前だった。内装前なので柱の構造が良く分かる。かなりの密度で柱や筋交いが入れてあるのが分かった。

気密工事は厚手の気密シートで構造を覆ってあり、シートの境目は黒いテープで止められている。

壁に、コンセントとアンテナ端子とイーサネット端子がもとまっているパネルがあり、直径3cmぐらいのカラフルなチューブが配管されている。

電話線やエアコンダクトのために外壁に開けられた穴は発泡ウレタンで塞がれている。

この日の気密測定は0.16だった。内装をしてからはもっと良い数値が出るそうだ。

同じ敷地の施主さん宅でお茶を御馳走になる。外壁のレンガはホフマングレーという白いレンガになるそうだ。完成したらまた見学したい。

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感心したのは施工である。結局は構造より施工なのだ。この時点でイ○ットハウスに依頼することが決定した。

特筆すべきはこの加盟店の営業さんではなかろうか。豪放磊落で行動力あるこの営業さんの活躍がなければ、にゃんこハウスの運命はどうなっていたか分からないのである。

>>続く

2006年6月24日土曜日

怒濤のクロージングvs激安見積り

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[ドンちゃん 2006]
来週の予定だったのを繰り上げてZ建設とK工務店に断りに行く。 まず午前中はZ建設。ここのコンセプトはその場でクロージング。先週の担当者の上司(けっこう若い)が出て来て怒濤のクロージングを開始。セールスをやった人なら分かると思うが、クロージングとは客から契約をとりつける行為を言う。

数字を駆使してのたたみかけるようなクロージングは、もし先週県○共済に行っていなければ防御できなかっただろう。相手が示した数字は土地も含めて5000万超。そんなローンはとても払えない。県民共済の1700万の見積もりを見せると、急にあわてて営業担当とその上司は退席。

数分後にやって来た二人は、裏の事務所で打ち合わせて来たのか、県○共済の悪口を喋って挽回を試みる。「県○共済の下請け工務店は設計士が決めるが、設計士には工務店からリベートが入るんですよ」だそうだ。県○共済は施工別に分割発注で入札制なはずだが。

彼らもコストでは県○共済にかなわないことは確かなので、無理と諦めたのかそれ以上攻められることはなかった。○○県に住んでいて県○共済があって本当に良かった。逆に県内のハウスメーカーは苦労するだろうが。

午後には住宅展示場のK工務店へ。

先週の営業担当から、メガバンク系不動産の若い営業マンを紹介される。K工務店の施工はしっかりしている、大きな声では言えないが住宅展示場の他のハウスメーカーのモデルハウスでもK工務店が施工したものがある、と言っている。「それはどのぐらい前の話ですか?」と聞くと10年前だという。それは前の社長の頃の話で、社名は同じでも今は別の会社だ。こちらは具体的な条件を示して土地探しを始めているのに、この期に及んで抽象論のような段階の話をしても無意味だ、と言って断った。

明日はSCとはまた別の外断熱工法であるイ○ットハウスの見学。これが運命の出会いになるとはこの時点では知る由もないのであった。

>>続く

2006年6月18日日曜日

県民○済は激安

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[買ったばかりのキャットタワーとレオン 2006]
午後は車でS玉県民○済へ。ここは○済組合としては全国で唯一注文住宅を手がける。県民○済を知ったのはここで家を建てた人のブログを読んだからだ。SCや他の工法も検討したが、結局県民○済でローコスト住宅を建てる事にした施主の体験は参考になった。

県民○済は思ったより大きな建物で、ブライダル用品コーナーや振り袖販売と併設して注文建築のショールームがある。最初に県民○済のシステムを説明したビデオを見て、個別の相談になる。ここの単価は35坪が標準で坪単価が33万だ。床暖房やロフトなどオプションもすべて単価が決まっている。ロフトや床暖房や掘炬燵などオプションを付けまくって、外溝まで含んで1700万弱という見積もりだった。たしかに安い。

標準装備でもかなり品質が良く、押し入れが桐製だったり、サッシは樹脂とアルミの2層だったり、インターフォンはTVモニタつきだったりする。

家に帰ってもう一度午前中の建設会社に行き、やはり18坪は狭いので35坪2階建てが良さそうだと言っておいた。

今度の土曜日は女房が用事でいないが、予定を1週間早めてZ南建設とK下工務店に行って断って来る予定。

この時点で地元の工務店でSCで建てるか、それがだめなら県民○済で建てるかどちらかに絞られた。やはり建て売り住宅は質が低い。

>>続く

ソー○ーサーキットと18坪三階建て

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[レオンお気に入りの場所 2006]
予約を入れてあった近所の建設会社に朝9時半に到着。この建設会社は9時始業だが、30分経ってもまだ朝礼をやっている。担当者を呼んでもらって車で現地に。引き渡し直前のソー○ーサーキット(SC)の新築住宅を見せてもらう。

現地は隣の駅から車で5分ほどの坂道の途中。この一帯は荒川に向けて低地になる途中だ。40坪ほどの敷地に25坪の2階建てが建っている。これがSCの家だ。SCというのは外断熱工法の一つで、K社というメーカーの断熱フォームを外壁に使用した工法である。ソー○ーサーキットという名称もK社の登録商標で、建設会社はそのフランチャイズである。

この工法は内側に通気層が設けてあり、床下にダンパーと呼ばれる開閉式の蓋みたいなものがあって、住人がダンパーを操作して通気をコントロールするようになっている。

建物の中はドアの上に蓋があり、開けて通気をとるようになっている。これは押し入れの中も同様で、天井裏の換気装置で吸い上げて排気するようになっている。

「いい家が欲しい」という本を読んだ事を告げると建設会社の営業が、「本には良い事ばかり書いてあったと思いますが、欠点は何だと思います?」と訊ねてきた。「耐震性ですか?」と言うと違うという。「外の音が聞こえないのですが、外の音が聞こえないという事は内部の音が響くんです」と言って2階の廊下で手を打ってみる。なるほど確かに音が響く。

とりあえず地元の建設会社に信頼できそうな候補ができたようだ。この営業の案内で、建設中の現場を2カ所ほど車の中から見せてもらった。傾斜地などでどうもパッとしない。工法も、建て売り住宅はSCではない。

最後に連れて行かれたのは2つ隣の駅の学校そばの古家。土地は18坪で1980万だという。SCでいい家作りますよ、という営業マンに設計プランを依頼した。

正直言って土地は狭いが、周辺の環境は気に入ったのである。だが後で考えるとこの土地は狭すぎるということが分かった。また、女房は最初からあまり気に入っていなかったようだ。

この営業は、マンション売却の話にも積極的で、明日登記所に行って登記簿を見て来ると言う。この時点で最も積極的なこの建設会社に任せようと思った。

>>続く

2006年6月17日土曜日

住○情報館でカモられる

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[スリッパが大好きなレオン 2006]
住宅展示場から出ると、道路を隔てて住○情報館という建物がある。土地探しをする必要があるので見てみようと道路を渡った。

土地を探していると営業が声をかけて来た。なんでも、この住○情報館というのはZ建設という建設会社がやっているのだそうだ。住○情報館の特徴は、ドアや外壁、キッチンなどが設備メーカーのショールームと同じぐらい揃っている点だそう。たしかに参考にはなった。

在来工法も2×4もやるというこの建設会社にも土地を探してもらい、再来週来る約束をした。いいカモじゃん。

定番情報源2chで調べるとけっこう強引な営業をするようだ。心して対決せねば。

>>続く

2×6はさらに良い?

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[洗面台の水を飲むドンちゃんとレオン 2006]
住宅展示場ではまず木造住宅を中心に見学。最初に見たのはS林業。義理の父がこのハウスメーカーで建てたかったらしい。工法は在来工法。このショールームでは今のマンションの近くの約80平米の土地が1880万円で売り出しているのを知る。それを知っただけでも収穫だ。S友林業は大手だけあって単価も高い。別のハウスメーカーも見学してみよう。

次に見学したのはA化成。ここは木造はないのだが、ペット共生住宅というパンフレット欲しさに見学。ドアにキャットドアがついていたり、リビングの吹き抜けにキャットウォークやキャットタワーがあったり、人間のトイレが広くて猫砂を置く場所があり、しかもトイレのドアにキャットドアがついていたり。

そそくさと出て隣のK工務店へ。ここは2×6を手がけている。女性の営業担当からおだてられた我々は土地を探してもらって再来週また来る事を約束。敵の思うつぼである。

ただし、2×6をやっているハウスメーカーは少ないので検討の余地はありそうだ。

帰ってから定番情報源である某掲示板のK工務店スレを読んでみると好意的な書き込みが多かった。これは良いかも、と思ったらスレ後半で別の企業に乗っ取られた事を知る。

なんでも、バブル崩壊期に建て売りに手を出して、注文住宅部門が好調なのに会社が傾いたんだそうだ。前の社長はKホームズという小さな会社を作って建て売り住宅を建ててているらしい。新しい社長の名字もKというのだが、前の社長とは何ら血縁はないらしい。同じ名字であることを利用した巧妙な乗っ取りに見えるのだが。

これで一気にこのハウスメーカーに対する信頼がなくなった。来週来て断ろう。

>>続く

新人営業の実験台になる

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[ブログを見守るレオン 2006]
先週予約を入れてしまった建て売り住宅を見に行く日。成増駅の線路際にある傾斜地の物件は建設中。本を読んでにわか知識を仕入れたので、床下点検口を開けて床下見物。狭い割に値段が高い。安住の地にはなりそうもない。

この日の不動産会社はT急不動産。ベテラン営業マンに連れられた担当営業は新卒。一生懸命なのは好感が持てるが、はっきり言って頼りない。こんなペーペーを担当に付けるとはなめられたもんだ。

次に行った現地は練馬区旭町。和光市の白子川に近いけっこう谷底っぽい地形。これと言って特徴の無い木造三階建て。魅力なく決め手を欠く。

帰る道すがらベテラン営業マンに今のマンションの査定の話をする。だいたいの相場は坪100万だという。約22坪だから2200万か。現在のローン残高が約2500万だから売却損は確実に出る。どうしたものか。

成増駅前商店街(すきっぷタウン)の前で営業マンと分かれ、花○うどんで腹ごしらえ。(伏せ字にならんではないか^^;) 今日見なかったら今後ずっと見ないだろう、という女房の提案で成増の住宅展示場を見学することに。

この展示場の前はいつも車で通るのだが入るのははじめて。はてさてハウスメーカーの家はどうだろうか……。

>>続く

外断熱に目覚める

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[ドンちゃんとレオン 2006]
「いい家が欲しい」という本についてだが、全編を通してグラスウール断熱、2×4への悪口のオンパレードとなっている。賛美されるのは「ソー○ーサーキット(SC)」と呼ばれる工法である。

この工法は「外断熱」に分類される。木造の在来工法の構造の外側に断熱材を張るという工法で、夏涼しく冬暖かいとされている。室内の温度差が均質で、高齢者に問題となる風呂上がりの脱衣場の寒さも感じさせないと書かれている。

すべてを鵜呑みにすることはできないが、断熱と基礎については十分頭に入った気がする。

この著者が主催するソー○ーサーキット掲示板も読んでみて外断熱工法がSCだけではない、ということも知る。その筆頭はイ○ットハウスだろう。SCよりも構造がシンプルで低価格、メンテナンスの手間も少ない。

この本を読んでみな最初はSCで建てたいと思うようになるが、掲示板でイ○ットを知ってそちらが良くなるというのが一つのパターンのようだ。

ともあれ現場主義を標榜する人間としては、施工された物件を見なければ評価は下せない。たまたま事務所の前を通りかかった家の近くの工務店がSCの加盟店である事が分かり、こんどの日曜日にモデルハウスの見学を申し込んだ。

イ○ットハウスの現地見学会の日程も調べたが、近くの工務店だと日程が合わず、来週の日曜日にS県T市の加盟店の見学会を予約した。それが運命の出会いになるとも知らずに……。

>>続く

2006年6月11日日曜日

2×4はさすがにしっかりしている。だが駅から遠すぎる

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[洗面台のドンちゃん 2006]

午後は横浜の建設会社が練馬区大泉町に建てた2×4住宅。ここで少し補足しておくと、大泉学園駅前一帯は「大泉学園」という地名となる。「大泉町」とは大泉学園駅からかなり遠く、ほとんど埼玉県と言ってよい地帯。

この2×4住宅は業界大手のM井ホームが施工しただけあって、かなりしっかりした造りだった。リビングが2階にあり、天井まで吹き抜けになっている。女房は天井の採光が広告写真より少なかったので期待はずれだったようだが、2×4の品質には感心した。

立地は外環道のすぐそば、地盤はそんなに悪くないのだが駅から遠い。限りなく和光市に近い場所だが、東武東上線の和光市駅には通えない。

担当してくれた人は建設会社の営業マンではなく腰の低い年配の常務さんで、この住戸は甥が設計したと言っていた。横浜の建設会社が道路公団の用地を買い受けて練馬に建て売りを建てたのだとか。在来工法の職人が少なくなり、(品質が確保できないので)2×4で建てているのだとか。

信頼できそうな建設会社と施工会社だったが駅から遠いのが残念。価格は予算オーバーの4480万円。なんとか払える金額ではあるが……。

建て売り住宅を見て来たが、だいたいの品質は分かった。そろそろ注文住宅も見てみたいところだ。

>>続く

雨の日の建て売り住宅は崖の上に佇む

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理事長が帰った後、われわれ夫婦はネットで一戸建てを調べまくった。

そろそろ東京23区に帰りたいね、とか、マンションは住み飽きたから一戸建てがいいね、とか。後で考えてみると何と素朴な、いや身の程知らずな欲求であったことか。

23区といっても買えそうなのは練馬や板橋である。上板橋の建て売りをネットで資料請求したら即座に営業マンから連絡があり、今日見学することになった。

見学前にどうしても買いたかった本があった。一つは防災マップ、もう一つは「いい家が欲しい」という本である。

防災マップは今のマンションを買うときにも参考にした。そもそも今のマンションを買ったきっかけは阪神淡路大震災であり、下町の木造家屋密集地帯から逃れて埼玉のど田舎の鉄筋10階建てのマンションに引っ越したのが10年前だ。

「いい家が欲しい」という本は新聞広告で何度か目にした事があった。「建ててしまった人は読まないでください。後悔しますから」という宣伝文句の本である。

一生に何度もない買い物だから、ぜひ読んでおこうと思った訳である。

もう一冊、固定金利の住宅ローンであるフラット35の解説本も買って、営業マンとの待ち合わせ先の上板橋駅に着いた。
営業マンの車に乗って現地に行く間、「金利が高くなるというのでみなさん購入しようとされています」などと言う営業マンの話を聞く。後から知った事だが、金利が上がるというのは最近の格好の営業トークの一つだそうだ。梅雨時には家探しする客が少なくなるが、そういう時期に家を探すわれわれは賢い、などと巧みに客を持ち上げる。

最初に案内された現地は私道の奥の奥、駐車スペースもとれない木造2階建てだった。約22坪の今のマンションよりは広いのだが、1階のリビングが狭すぎて不合格。だがこの近辺にしては格安の3580万円だった。安い理由は駐車スペースがないからだそうだ。近所に駐車場を借りるぐらいは許容範囲なので、駐車スペースが無くても安ければ検討の余地がある、ということが分かっただけでも勉強にはなった。

次に連れて行かれたのは、最初の物件の近くの更地で、建物はこれから建設するという。この土地がまるで崖のようなすごい地形で、基礎工事には苦労しそうだ。車では容易に入れないような場所に駐車スペースつきの住戸を建てるという。ちょっと問題外だ。

最後に連れて行かれた場所は東武練馬から徒歩16分の板橋区徳丸、閑静な住宅街の一角にある木造3階建て。南欧風の漆喰壁の洒落た作りだが、まずこの土地は東武練馬から坂を下ったちょうど谷底にあたる土地だ。しかも敷地の隣を暗渠になった川が流れている。緑豊かで静かな良い場所ではあるが、こんな地盤の悪い所の家に一生住むのはどうか。

中に入ってみると、1階の床は歩くとバコンバコンと大きな音がする。安普請とはこのことだろう。洗濯物を干すのは3階にあるベランダだが、縦に細長いこの建物に申し訳程度に作られたベランダは幅1メートルほど。とても一家3人の洗濯物は干せない。

この時点で女房はわりと気に入っていたようだが返事は保留した。この区画には10棟ほどの建て売りが建っているが、まるでジグソーパズルのように入れ子になったものすごい区画割りである。極限まで土地を細分すればこのようになるのだろうか。問題の家は売れ残っているらしく、当初4580万円だったのが4280万になり、今は特別に3980万円で良いそうだ。

さらにわれわれを引っ張る気の営業マンに対して、午後も別の物件を見に行く予定なので、と言って早々に退散した。

後から考えると、この営業マンがとった手法は業界用語で一発屋と呼ばれる典型的な営業手法であった。客を車に乗せ最初に欠点のある物件を見せ、最後に本命の物件に誘導する手法が一発屋と呼ばれる。悪徳不動産屋の常套手段である。

ちなみにこの物件はわれわれの後一度別の客に決まりかけたがキャンセルになり、今は3580万円に値下がりしているらしい。いやはや。

>>続く

無意識に 背中押されて 家探し

そもそもなぜこういう事態になったのか。

自分でも猫を飼うなんて思いもしなかった私が、ペット禁止のマンションでなぜ猫を飼う気になったのか。

発端はひとつの写真である。女性が、中型犬ほどもある大きな猫を抱いている写真を見たときから私の運命は変わったのだ。



これが世界最大のイエネコと言われるメ○ンクーンという猫種である。山猫のようなワイルドな猫かと思われるかも知れないが、とても大人しくて飼いやすいのが特徴で、とあるブリーダーさんの家を見学したわれわれ夫婦はたちまちこの猫の虜になった。

6ヶ月の猫と1歳の雄計2匹をブリーダーさんに譲ってもらったのが5月、理事会に発覚したのが6月。この間、もう1匹を雌だと思ってマウントしてしまう1歳の雄(仮にこの猫をトニー、もう1匹をアンディとでもしておく)を去勢手術し、ようやく2匹が新しい家に落ち着いた矢先の出来事だった。

それにしても何でペット禁止のマンションで飼う事に決めてしまったのか。ペット飼育可のところに引っ越してから飼う方法もあったのに。

一つには、マンションを売って引っ越すにしてもかなりの労力が必要だという事である。数年前に離婚したときもたいへんな労力が必要だった。そもそも人と比べてエネルギーが少ないタイプの人間なので、追いつめられないと行動が起こせないのである。

もう一つ重要なのは、無意識にこのマンションから出たいと思っていたのではないか、ということである。今のマンションは離婚前から住んでいた場所で、夫婦と子供たちで6年間を過ごしたところなのだ。元妻が子供たちを連れて出て行った後の、がらんとした部屋の広さを今でも思い出す。

離婚後はもう結婚することはないと思っていたのだが、(これも無意識のなせる技か)数年を経ずして今の女房と再婚することになる。

別れた子供たちに向ける思いが、年月を経て自分の中で整理できたのか、今猫を飼わなければ一生飼う事ができないという思いから猫を飼う決心をしてしまった。

おそらく、思い出がたくさん残っている今のマンションから出たかったという気持ちが無意識の奥底に封印されていて、自分を追いつめて背中を押すような行為に至ったのではないか。

唐突だがここで一句。

無意識に 背中押されて 家探し。(好奇僧)

>>続く

2006年6月10日土曜日

管理組合は突然やって来る

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[ドンちゃんとレオン 2006]
休日なので家でくつろいでいたら、管理組合の理事長がやって来た。

うちの猫が誰かに目撃され、管理組合あてに投書が来たとのこと。今住んでいるマンションは管理規約で犬や猫の飼育が禁じられている。

猫を実家に預けるなどの方法がとれないか、と言うのだが、実家は公団住宅で無理だし、家族の一員なので手放すことは考えられないと返事をした。

自分が理事長の立場なら猫を飼う住戸があれば困るというのは分かるが、猫を手放す気も全くない。

困りましたね、と言う理事長はさらに、どうしましょうか、と巧妙にこちらに回答を促す。

追いつめられた私は、つい「半年以内に引っ越します」と言ってしまった。敵の思うつぼだったかも知れない。あとでよく考えたら、管理規約を改正するという方法もあるのだった。

だが改めてふり返ると、無意識のうちにこのマンションに見切りをつけていたのかも知れない。

マンション暮らしに飽きていたのも事実だ。明日は一戸建てを探しに行ってみるか。

>>続く